
こんにちは。
GWに控えている岸田さんとの展示会のお知らせです。
前回は”un-productivity”と題し、
tomo kishida の活動そのものに触れ、
その時間の流れを肌で感じられる展示会を試みました。
乙景での展示期間中、
実際に岸田さんが1着の洋服を仕立てていく。
その時間の流れは、
効率化とか生産性という尺度が浸透していった今の時代、
私たちの中で失われつつある感覚を
見つめ直す機会になったように思います。
改めて、”un-productivity”に参加していただいた皆さま、ありがとうございました。
今回の展示は、その続きにあるストーリーです。
岸田さんが自ら織り、縫い、仕立てる服は、
すべて一点ものです。
その多くの時間を内包する衣服は、
例え同じ素材や形であっても、決して同じものが生まれない。
前回の展示を経て、そんなことが少しわかった気がしました。
じゃあ、tomo kishida が同じ生地、同じ型で
10着作るとどうなるんだろう。
そんな問いから本展”un-repeatable” が進んでいきました。
岸田さんにとっても初めての試みである、
いわば手仕事でありながら量産のようなもの。
今年に入ってから今に至るまでの数ヶ月間に渡って制作していただき、
徐々に出来上がる衣服たちが思っていた以上に
それぞれ違う表情であるのを目にしながら、
こんなことを感じました。
今、僕の周りにあるモノ――
例えば目の前のPC、スマートフォン、耳元のイヤホン。
これらは工業生産のなかで、
同じであることを求められながら量産される。
正確で、均一で、繰り返し作ることができるもの。
まるで同じ設計図から複製されていく、
ぬくもりを持たないクローンのようにも思える。
それに比べ、今回の10着のシャツは、
命ある双子のようだ。
同じDNAから生まれた双子がそれぞれ異なるように、
tomo kishida から生まれる同じ生地、同じ型の衣服も、
構成する要素は同じであっても、不完全な手仕事という
行為のなかで、小さな差異が生まれていく。
人間という不完全な生き物が、意思を持って作るものは、
たとえ似ていても、決して同じにはならない。
そこにこそ、生命のぬくもりを見出せるのではないか。
今回の展示で並ぶ10着は、tomo kishidaが
同じ生地を織り、同じ型を裁断し、
同じ形に縫製して制作した衣服たちです。
しかし、それらの手仕事を繰り返すなかで重なっていく
小さな差異が衣服に宿っていきます。
再現性はなく、反復できないモノ。
それらにはどこか儚さや余白を感じさせられる。
そして、それらは10着のうちの1着でありながら、
繰り返すことのない1着です。
前回のキャプションで、僕はこんなことを書いています。
まるで時代の流れに逆行するかのように静かに、
ゆっくりと時間をかけて生まれる衣服は、
大量生産・大量消費が当たり前となった今だからこそ
浮かび上がってくる「非生産性」の美しさや、
かつて流れていた時間軸を感じさせ、
本来人間が持っていた“余白の美”へと引き戻してくれる。Journal “un-productivity”
この”余白の美”は、
不完全だからこそ生まれるんじゃないかなと思いました。
今回の展示では同じ要素を持つ10着が並ぶことで、
手仕事によるそれぞれの差異が余白となって現れ、
そこに宿る、ぬくもりを感じてもらえるような展示会になればと思います。
僕たちもまた、誰ひとりとして同じではない存在です。
似ているようでいて、決して繰り返されることのない一人ひとり。
だからこそ、この展示の中で生まれる問いもまた、
ひとつではありません。
それぞれの尺度で、その違いに触れ、
感じ取っていただけたら嬉しいです。
追記-
あと、今回の10着はチェックシャツです。
この生地は、昨年末の展示会のために制作してもらった
ストールと同じ生地です。
嬉しいことにすぐお客様の手に渡ったので見られた方は
少ないと思いますが、
初めてその生地を見たとき、
僕たちは純粋にとても興奮しました。
すぐに僕たちは、「この生地でシャツが欲しい」
と岸田さんに伝えていました。
(山下さんは2本あったストールの1本を嬉しそうに巻きながら)
僕たちは少し先に着させてもらっているのですが、
今の時期だと僕はジャケットっぽく着ています。
もう少し暖かくなったらタンクトップ挟んでサラッと羽織りたいです。
色々とスタイリングを組んでみて、エレガントにもカジュアルにも振れる、
とても懐の深い一着だと感じています。
たくさん着て、愛用してもらえたら僕も嬉しいです。
ありがたいことに、乙景ではすでに tomo kishida の
洋服を着てくださっている方がたくさんいます。
でも、みんなで双子のような服を楽しめる機会は、
おそらく最初で最後です。
僕たち3人も着させてもらうので、あと7着、7人。
できればいつか、みんなで記念撮影でもしましょう。笑
ではまた。


■場所 乙景(オツケイ) 京都府京都市下京区桝屋町473−7
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